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乾燥室の幸福感。
本日の島原は、春到来を思わせる快晴でした。
心地よい風が吹き、日差しは暖かく、しかし空気は適度な湿り気を残していて、そうめんづくりにはもってこいの日、です。
溢れた光がそうめんに反射して部屋全体がレフ板をあてられたようにほんわりと明るい乾燥室で、そうめんたちが気持ちよさそうに風にゆられているのを見るのは、うれしいもの。
そうめんづくりの醍醐味、です。
私がまだ東京に住んでいて、表参道の大坊珈琲に通ったり、専用の道具を調えて自分でネルドリップをいれたり、珈琲の歴史なんて本を読んだりなんかしていた若かりし頃、ある珈琲店のマスターが
「珈琲豆は農作物。その豆を育てた人の顔がみえるような珈琲をお出し出来るよう、心掛けています」
と仰っていたのが心に残っています。
ブルーマウンテン、モカマタリ。それまで珈琲をブランド品を選ぶかのようにみていた自分に気付きました。こだわっているようでいて、そのこだわりは焙煎のところどまり。その豆がどんな農場で、どんな人に育てられ、はるばる日本にやってきたのかまでは、思いが至っていなかったのです。
私たちのそうめんを手にする方々は
どのような気持ちで手にしてくださるのだろうか。
私たちも、顔こそみえなくていいけれど、この乾燥室の幸福感、できれば聞こえてくる庭の鶯のさえずりまでも(それは無理か)、伝わるようなそうめんをつくっていければと願います。言うは易く行うは、、、ですが。
その一助として、目下ウェブサイトを製作中です。めんづくりの現場と食卓をつなぎ、お互いの声が聞こえてくるようなものにしたいと思っていますが、どうなりますやら。呪文を唱えながらの試行錯誤です。
「少しずつでも、着実に」
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